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2016年12月29日
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脳はなにげに不公平 パテカトルの万能薬 池谷裕二 著
不平等になる理由
実験で100人に1万円ずつ配る。そして乱数表を使って100人の中から2人をランダムに選び出して1人めから2人目へ1000円を渡す。このトレードを1000回繰り返す。さて、この様にルールのどこにも不平等性はない状況下で100人の所持金は、一体どのように変化するか。
結果は、不思議なことにトレードを繰り返すと、次第にごく一部の大金持ちと、その他多数の貧乏人が出現する。これは「ボルツマン分布」呼ばれるもので、数学的には自明な結果なのだ。多くの人は、統計的事実に気づかず、平等主義や民主主義の理想に憧れる。
上流階級はモラルが高いのか?
ピフ博士の実験では、参加者に面接官になってもらい就職希望者とうまく交渉しながら採用者の給与を決定する、という実験を行なった。この際、重要な事実は、志願者は長期安定の仕事を探しているが、今回の採用ポストは近々廃止予定なのだ。面接官役はこの不都合な事実を志願者に伝えるか?
実験の結果は、下流層の人は素直に事実を告げて交渉する傾向が強かったが、社会的ステータスの高い人は、事実を隠したことが分かった。騙してでもいいから、自分に有利な交渉を進めるのがステータスの高い人の特徴であった。
男女の脳の違い
女性の方が、オチの面白さを期待していない。
男性は、オチの前からその結果に拘っているのに対し、女性は素直に提示されたオチを楽しむ。男性は、競争心から、うまいことを言う奴だなという嫉妬もあり側坐核という脳の部分が活動できない。
~脳はなにげに不公平 パテカトルの万能薬 池谷裕二 著
朝日新聞出版社 2016.3.30発行 1,300円 ~