金融危機がもたらした影響

アメリカでは２０１３年には、資産額における米国民の上位０．１％が米国全体の資産額の２２％を所有しており、これは、４０年前のシェアの３倍である。

所得では、格差は劇的に拡大中で、米国の勤労者の所得上位１％が所得増加分の９５％を得ている。

技術進歩の本質が変化して高い技術を持つ者が、そうでは無い者と比べ圧倒的に有利となり富が集中していると考えられる。

既成秩序を破壊するイノベーションが巨大化する

エアビーアンドビーは、まだ一軒のホテルも建てていない。それでもここ６年間で同社に登録された貸し部屋は、１００万室を超えた。

これに対してヒルトン・グループは、ずっと長い年月をかけているのに７０万室程度である。

この結果が示すのは、業界のルールや、運営手法を根底から揺るがす、完全に新しい戦術が登場し、著しい成果を上げていて、

今後も益々この現象は、進んでいくと思われる。

～世界経済　危険な明日　モハメド・エラリアン 著　日本経済新聞出版社　2016.10.25発行　2,500円　～