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2016年12月31日
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経済は、人類を幸せにできるのか? ダニエル コーン 著
経済と幸せの関係
少なくとも先進国では、人生は長く豊だ。民主主義や言論の自由が謳歌されている。
しかし、フランスでは、ここ30年間に抗うつ薬の服用量は3倍になった。
アメリカでは幸福だと感じる指数は、1950年代よりも30%低い。
アメリカの大学生に行った実験
①クラスメートが20万ドル稼いで、自分が10万ドル稼ぐ
②クラスメートが2万5千ドル稼いで、自分が5万ドル稼ぐ
多くの学生が、②を選んだ。
同じ学生に行った実験では、
①あなたは2週間の休暇、同僚は1週間の休暇
②あなたは4週間の休暇、同僚は8週間の休暇
全員の学生が②を選んだ。
この2つの実験結果は、敵対関係は、目につく社会的成功は、敏感に作用するが、
他人が、より多くの自由な時間を持つという、物静かな幸福を目にしても敵対心は起きず、
自分の幸福を優先した事を示している。
ストレスを言動力にする経営管理
ゼネラル・エレクトリック社の有名な経営者ジャック・ウェルチは、
従業員の成功したいというガッツを維持する為に毎年従業員の10%を解雇した。
ストレスを原動力にする経営。
豊かになった中国の犯罪率
一人っ子政策で女の子不足が深刻化している。
結婚市場では、1980年に1.07だった女児に対する男児の出生比率は、2007年には、1.22になった。
これは男性の数に比べて女性の数が、約5分の1不足することを意味している。
研究では、男女出生比率のアンバランスが引き金となって暴力が増加する傾向が認められた。
女児に対する男児の出生比率が、1.10から1.11になると、犯罪率が3%増加すると試算できる。
このメカニズムだけで、中国の暴力の7分の1は説明がつく。
~経済は、人類を幸せにできるのか? ダニエル コーン 著 作品社 2015.10.10発行 2,200円 ~