トピックス
2017年1月2日
本の豆知識シェア
預金封鎖に備えよ マイナス金利の先にある危機 小黒一正 著
閣府は2016年7月に「中長期の経済財政に関する資産」の改訂版を公表している。それによると、楽観的な高成長(実質GDP成長率が2%)の「経済再生ケース」でも、政府が目標とする2020年度のプライマリーバランス(借入金を除いた税金などの正味の歳入と借入金返済のための元利払いを除いた歳出の収支のこと)黒字化はできず、約5.5兆円の赤字になる。しかもこの経済再生ケースは、2019年10月に消費税率を10%に引き上げつることを前提にしている。このため、もし2019年10月の増税を延期すれば楽観的な高成長ケースでも2020年度のプライマリーバランス赤字幅は10兆円に達する。現在の財政再建計画は完全に崩壊するわけだ。
更にその一方で2020~2025年にかけては、団塊世代が75歳以上となり、医療・介護費が急増する。厚生労働省の推計によると、2015年度で約50兆円の医療・介護費は、2025年度には約75兆円へ実に25兆円も膨らむ。
様々な状況の中で、政府は時々、強烈な噓をつくということを私たちは、歴史から学ぶべきだろう。
~預金封鎖に備えよ マイナス金利の先にある危機 小黒一正 著 朝日新聞出版2016.10.30発行 1,500円 ~