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2017年1月10日

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 アダム・グラント 著

 

変化を生み出す

ネットで眼鏡を買う人なんかいるわけないと誰もが言う中、4人の大学生が眼鏡業界に革命を起そうとしていた。小売店で500ドルで売られている眼鏡をオンラインで95ドルで販売し1本売れるごとに発展途上国の誰かに1本寄付するという計画だった。サイトがオープンすると商品は飛ぶように売れた年商1億ドルを達成し企業価値は10億ドル以上と評価された。これは、消費者が眼鏡を手軽に買えるようにするために行動を起こした結果である。彼らはうまくいかなかった場合を考えて卒業後の就職先も内定をもらっていた。4人とも全員である。オリジナルな人たちは私たちが思うよりもずっと普通の人たちなのだ。

 

成功のカギは大量生産

心理学者ディーン・サイモントンによると、ある分野における天才的な創作者は、他の人よりも特に創作の質が優れているわけではない。ただ、大量に創作することに優れていて、結果として、多様な作品が生まれオリジナリティの高いものができる確率が高くなっていったことが分かった。

 

勘は当てになるのか

研究によると直感は自分の経験が豊富にある分野のみにおいて正しい。斬新なアイデアが成功する可能性を正確に予想するには、評価する分野で経験を積んだ人物であることがベストである。

 

よいアイデアは、先延ばしから生まれる

学生達に、コンビニの跡地に新たな事業の提案書を作成させたところ別のコンビニを導入するといった、ありきたりなアイデアが多かった。次に無作為に抽出した被験者に同じ課題を与えるが、回答は、敢えて先延ばしにしてもらい、その間コンピューターゲームで、しばらく遊んでもらった。その結果、この被験者達からは、全く新しい事業アイデアが多数出された。それらの提案書を第三者に評価してもらったところ、先延ばしした方のアイデアが28%も創造性が高いと評価された。

 

先発企業はなぜ損をするのか

3000社以上のベンチャー企業を調べた研究によると、約4分の3の企業が時期尚早に規模拡大を試みて失敗している。その規模を支える市場の需要がまだ存在していない段階であるにも拘わらず投資に踏み切ってしまっていたと言える状況であった。

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 アダム・グラント 著 三笠書房 2016.7.5発行 1,800円 ~

 

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