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2017年1月22日
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才能の見つけ方 天才の育て方 石角友愛 著
ギフテッドチルドレンは、誰かに言われたわけでもなく、期待されていたわけでもないのに、自発的に生まれ持った才能を発揮する。同年齢の子供と比べて6分野の能力、知性、創造性、芸術性、リーダーシップ、特定の学問、運動能力、のうち少なくとも1つの分野で特異な才能を発揮する。反面、精神面、知力面、体力面などの成長が、ばらばらであることが多い。その為整理整頓などの一部の能力が、ギフテッドではない子に比べると劣っている場合がある。
日本には、才能に関するネガティブなことわざがある。「10で神童、15で才子、20を過ぎればただの人」「能ある鷹は爪隠す」だ。せかっく才能をもって生まれてきたギフテッドチルドレンに対してどうせ20になったら普通の人になるよと親が冷めた目で傍観し才能をひけらかすなんてはしたなく、能ある鷹は爪を隠すものだと教え込む社会からは、なかなか突出した天才は生まれにくい。
実験によると、IQが高い子供の方が、前頭前皮質の厚さが、そうではない子供よりも薄い。そして普通の子供が8歳ほどで厚みがピークに達するのに対してIQが高い子は12歳でピークに達することが分かった。これは、IQが高い子供の方が、可逆性と変動生を持っているということになる。又、成熟するのが遅いということは、それだけ複雑なレベルの認知回路を脳に構築するチャンスが多く与えられているのではないかと考えられている。
ギフテッドチルドレンの多くが問題児と誤解され、学校では評価されにくいことの1つにこの成熟プロセスの違いが関係しているのかもしれない。
才能の見つけ方 天才の育て方 石角友愛 著 文藝春秋 2016.6.30発行 1500円