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2017年1月2日
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新・資本論 トマ・ピケティ 著
スティーブ・ジョブズの長者番付
ipod 、iphone等、多くのイノベーションを世界にもたらしたスティーブ・ジョブズは、ビル・ゲイツ以上に好感度の高い起業家の代表格であり、お金持ちであって当然だと考えられている。
だが、フォーブス誌の長者番付によると、
ジョブズ氏の資産は80億ドル
ゲイツは500億ドル。
富が才能や努力に見合っているとは言えない。
まず、疑問を感じるのは、イノベーターであるジョブズの資産がウィンドウズの上がりで食べているゲイツの資産の6分の1に過ぎないことだ。さらに憂鬱なのは、ジョブズの資産がリリアンヌ・ベタンクール(世界最大の化粧品会社ロレアルの創業者ウージェンヌ・シュエレールの一人娘)の資産250億ドルの3分の1以下であることだ。
彼女は、一度も働いたことはなく、ただ父から遺産を受け継いだだけである。
資産が一定水準を超えると、爆発的に増えるようになる。
1990年から2010年にかけて、
ゲイツ氏の資産は40億ドルから500億ドルに
ベタンクール氏の資産は20億ドルから250億ドルに
増えた。
どちらも年平均13%以上増えた勘定だ。
なぜか?
巨額の資産があれば、投資リスクを冒すことも出来るし、運用のプロを雇うことも出来る。
要するに、お金は、お金を生むのである。
財産が増えるからくりは単純だが、そのすさまじさは、好ましくない。
この傾向が続くと、富の分布、格差はますます拡大し二極化するだろう。
~トマ・ピケティの新・資本論 トマ・ピケティ 著 日経BP社 15.1.27発行 2,200円 ~